2021年上半期にDeFi(分散型金融)はどれだけ成長したか
本コラムでは2021年上半期にDeFi(分散型金融)はどれだけ成長したか主要な数値データを概観して動向を把握します。DeFiの成長指標としてよく用いられるプラットフォームにロックされているアセットの時価総額を示す「TVL(Total Value Locked)」を見ていきます。
TVLの変化から成長を見る
イーサリアム(Ethereum)6月末時点のTVLは約460億ドル(約5兆500億円)で年初から2.7倍の成長しています。内訳は上位からアーベ(Aave)、カーブ(Curve)、コンパウンド(Compound)、メイカーダオ(MakerDAO)、インスタダップ(InstaDApp)です。
参照:THE BLOCK
また、バイナンススマートチェーン(BSC)のTVLは130億ドルです。バイナンススマートチェーンのDeFiは年初にはほとんど存在しなかったので、2021年中にゼロからここまで成長したと言えます。
参照:THE BLOCK
またイーサリアムのサイドチェーンとして知られるポリゴン(Polygon)のTVLも4月から6月にかけて急激に伸びていることが分かります。
参照:DeFi Llama
分散が型取引所の取引高は減少
分散型取引所の取引高は、ほとんどの月で前月出来高を更新してきましたが6月は大きく減少しています。5月は過去最高で1,600億ドルです。
参照:THE BLOCK
加えて分散型取引所の取引高が中央集権型取引所(CeFi)に対してどの程度の割合を示しているかが以下です。2021年6月には10%が分散型取引所の出来高となっています。
参照:THE BLOCK
TVLを基準にするならばイーサリアムが年初から2.7倍に成長、加えて年初にはほとんどエコシステムが存在しなかったバイナンススマートチェーン(BSC)が130億ドル、ポリゴンが80億ドルまで成長しているのが2021年のDeFiの成長としてイメージして良い数字でしょう。
もっともTVLは分かりやすい指標ではありますが、これがエコシステムの成長を正確に表す数字ではないことや、アプリケーションの質を必ずしも伴わないことは留意したいです。しかしその規模感をイメージする1つの指標であることは間違いないでしょう。
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